東京デザインウィークでの火災死亡事故、佐伯健仁くんの父親の思い

目次

1. 事故の概要

大学生のアート作品素の家が燃える様子
大学生のアート作品素の家

1.1 事故発生の日時と場所

東京デザインウィーク中に発生したこの悲惨な火災事故は、東京・明治神宮外苑のイベント会場で起こりました。

事故の日は2016年11月6日で、多くの家族連れやアート愛好者が会場を訪れていた中、突然の火災によってパニックが起こりました。

この日、会場は特に子供たちを対象としたアートイベントが多く開催されており、その一環として設置されていた木製のジャングルジムが事故の舞台となりました​。

1.2 火災が発生した経緯

火災は、一部の出展作品に使用されていた白熱電球が原因で発生したとされています。特に「素の家」と呼ばれるジャングルジム式の遊具で問題が発生しました。

この遊具は、そのデザインに木くず(おがくずや木毛のようなもの)を使用しており、白熱電球からの熱によっておがくずが燃えやすい状態にありました。

事故当日、展示されていた学生が遊具内部に電灯を設置したところ、配線の問題や設置場所の不備が重なり、短時間内に火が広がりました​。

また、目撃者の証言によると、火災は非常に速く拡大し、周囲にいた人々はほとんど逃げ場を失い、煙と火の中で混乱が生じたと報じられています。

この事故により、特に小さな子供たちを含む多くの来場者が危険な状況にさらされました。事故直後、救助活動が急ピッチで行われたものの、状況の深刻さから神宮外苑全域での安全確認が再度行われることとなりました​ 。

2. 犠牲者と影響

2.1 佐伯健仁君とその家族

最も心を痛める事故の犠牲者、佐伯健仁君は、この火災で亡くなった5歳の幼児です。

火事が発生した時、健仁君は家族と一緒にイベントを楽しんでいました。火災が発生すると、彼は遊具の中にいたところを煙と炎に包まれてしまいました。

佐伯健仁君の父親は、息子を救うために炎の中に飛び込みましたが、やけどを負いながらも、息子を救出することはできませんでした。

2.2 佐伯健仁君の父親のやけどと精神的な状況について

事件の心理的影響も大きく、佐伯健仁君の父親と奥さんは心的外傷後ストレス障害(PTSD)で病院に通い続けているとのことです。(今現在は不明ですが、藤巻が思うに簡単に払拭されるものでは無いはずです。)

またやけどの影響で、手先に力が入らない後遺症も抱えており、その悲痛さが伝わってきます。

3. 原因と問題点

3.1 火災の直接的な原因

この悲惨な火災の直接的な原因は、展示されていたアート作品用の照明設備にありました。

具体的には、ジャングルジム型の遊具「素の家」に設置された白熱電球が高温になり、周囲のおがくずを急速に燃焼させたことで火災が発生しました。

これらの電球は、通常よりも高温になるタイプであり、遊具の構造上、熱がこもりやすい設計だったため、火災に至るリスクが特に高かったと指摘されています。

安全対策としての規制や監視体制が不十分であったことも火災の広がりを助長しました。

例えば、電球の設置作業が展示の直前に行われたこと、安全確認が不十分だったことなどが挙げられます​。

3.2 安全基準の問題と管理不足

東京デザインウィークの事故では、安全基準の問題と管理不足が大きな課題として露呈しました。

展示される作品の多くが一時的なものであり、建築基準法や消防法令の対象外であるため、その安全基準が非常にあいまいでした。

事故当日、使用された照明器具が規制の範囲外であったことや、安全管理責任者の不在が事故をさらに悪化させたと考えられています。

藤巻

佐伯健仁君の父親は再発防止策に関しても積極的な姿勢が見られず息子の死が無駄になってしまう、とコメントされていました。今回の事件は明らかに主催者側と制作側に非があるもので、誠意が感じられないのは遺憾です。

おがくずに対して白熱灯で着火するの?


実際の素の家に使われていたおがくず
実際の素の家に使われていたおがくず

上記画像の様におがくずがしきつめられていて、この中に白熱灯を設置していたとのことです。画像は無いんですけど、筒の様なものに白熱灯が包まれていて、縦に設置し、おがくずが乗っかるような感じでした。

今回は白熱灯の熱で着火されたとされていますが、木材が火を使わず、自然発火する温度は450℃とされています。

要するに白熱灯で450度まで上がってしまったと考えるのが自然ですよね。

白熱灯の温度は何度?

点灯中の温度自体は1500℃~3000℃に達すると言われていますが、実際のガラス部分における表面温度は約100度から180度LEDは50度前後になるみたいです。

今回事件があった投光器に入れられた白熱灯は点灯から数分で300度手前まで熱されたと言われていて、条件や環境が不運にも温度上昇を促進してしまうみたいで、着火点に到達したのでは?と言われています。

LEDならば事故は起きなかった?

これに関してはLEDでも危ない点はあるという声が多数を占めていて、一概にもそうは言えないといった意見が多いみたいです。

個人的には、少なくとも火事にはなっていなかったんでは無いか?と思いますがどうでしょう。素人意見ですので、特にこれといった根拠は無いですが・・・。

白熱灯は現在は廃止(2019年よりLEDがデファクトスタンダードに)されていますが、当時は一般的だったため、あまり深く考えなかったかもしれませんね。

裁判の内容についてざっくり

wikipedia様の内容から裁判の経緯をざっくりとお伝えさせていただきます。

裁判の流れ
2019年(平成31年)3月18日
火災の原因を作った当事者らを書類送検

火元の原因を作り、安全管理面を怠ったとして、出展者やイベント主催者ら計6人を業務上過失致死傷の疑いで書類送検した。

2019年8月1日
出展者(大学生)が住宅起訴となる

東京地方検察庁は出展者2人を重過失致死傷罪で在宅起訴し、主催者ら4人は不起訴処分とした。

2020年(令和2年)4月
遺族両親が日本工業大学とイベント主催会社に民事訴訟

佐伯健仁君の両親が作品を出展した日本工業大学側とイベントの主催会社に計約1億2,000万円の損害賠償を求める民事訴訟を起こす。

大学側と和解

両親と日本工業大学側の和解が成立し、大学側が解決金を支払った。イベント主催者への損害賠償請求訴訟は継続中。

2021年(令和3年)3月30日
出展者2人の刑事裁判

出展者2人の刑事裁判について取調べが終わる。無罪を主張する被告の弁護側に対し、検察側は被告2人に禁錮1年を求刑する。

2021年7月13日
有罪判決が言い渡される

東京地裁は出展者2人に禁錮10ヶ月、執行猶予3年の有罪判決を言い渡した。日本工業大学学長の成田健一さんは安全教育の徹底と再発防止に取り組むとコメントをしている。

2021年7月26日
有罪判決を不服

出展者2人の弁護人は有罪判決を不服として東京高等裁判所に控訴し、裁判は継続。

2022年(令和4年)9月13日
簡易裁判所で審理するようになる

控訴審判決で東京高裁(大善文男裁判長)は、元大学生2人について「わずかな注意を払えば火災を予測できたと認めるのは困難だ」と指摘し、罰金刑が上限の過失致死傷の罪にとどまると判断。1審判決を取り消して、簡易裁判所で審理するよう言い渡される。

2022年11月16日
イベント会社と和解

東京デザインウィーク公式からご遺族と和解したとの告知。

2024年(令和6年)3月5日
過失致死傷罪で確定

東京簡易裁判所は過失致死傷罪で元大学生2人に罰金50万円の判決を言い渡す。

藤巻

Wikipedia記載内容をまとめたので、粗削りな部分があったら申し訳ございません。

まとめ(藤巻が感じたこと)

本記事で書いてない部分として、少し不明瞭だったため、敬遠した内容が2点あります。

東京デザインウィークの主催側で事故後飲み会があった?

これに関しては、不謹慎だと非難されたため中止になったみたいです。

当たり前のことですけど、飲み会を執り行おうとした神経が良く分かりません。イベント主催側への不信感は高まりましたよね。

元大学生2人が遺族に対して謝罪をしていない

これに関しては、現在はされているかもしれませんが、父親のコメントで謝罪が無い旨も答えられていたので、最新の状況は分かりませんが、少なくとも途中までは謝罪が無いのは確かです。

裁判に影響するかもしれないため、謝罪が出来なかったとしても、この点も不信感が高まるポイントでした。

まとめの続き

以上2点が非常に不信感を高め、本件に対して少しやるせない気持ちがわいてきます。

しかし、一番は本件でお子さんを失った親御さんたちです。

今現在は和解されたと公式情報ではなっていますが、実際はどうなんでしょうか・・・。取り返しのつかない事件となってしまった悲しい本件ですが、やれることは今後どうするか、の1点しかないと思います。

再発防止策を盤石にして、今後こういったことが無いようにしてほしいです。ご冥福をお祈り申し上げます。

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